腱鞘炎 ばね指
腱・腱鞘とは
最近ではパソコンやスマートフォンの長時間の使用により手首の腱鞘炎で来院する患者様が増加中です。初期にしっかりと治療すれば治るのですが、放っておくと重症化してお箸も持てなくなってしまいます。多いのは下の赤丸の部分の腱鞘炎です。
腱は筋肉が収縮して生み出した力を骨に伝えて関節を動かします。腱は手首で密集している為、隣の腱や近くの骨と擦れないように腱鞘(けんしょう)と呼ばれるトンネルの中を通ります。
指や手首を動かすと腱が腱鞘の中を通過します。使い過ぎによって何度も何度も腱が腱鞘の中を通過していると次第に腱や腱鞘に炎症が起こり腫れてしまいます。すると指や手首を動かすたびに、腱と腱鞘が擦れて痛みを生じます。
腱鞘炎の超音波エコー画像
当院では腱鞘炎やばね指の患者様にはまず触診や徒手検査で丁寧に診察をおこないます。腱鞘炎が疑われる場合にはエコー検査で確認します。
腱と腱鞘は下の図の様になっています。腱の周囲に腱鞘があり、腱鞘の中には滑液(かつえき)と呼ばれる液体が含まれています。
正常な腱と腱鞘をエコーで観察すると腱は楕円形で腱鞘内の滑液はほとんど見られません。
エコーでは液体は黒く写ります。
腱鞘炎では腱が腫れて楕円形→円形になります。
また腱鞘に炎症が起こり、滑液が溜まる事で腱の周囲が黒く写ります。
ばね指とは?
腱鞘炎が重症化すると腱が腫れます。するとギュッと力を入れたりした拍子に腱が腱鞘の出入り口で引っかかってしまいます。初期ではただ引っかかるだけの場合が多いのですが、時に指が曲がったまま伸びなくなってしまいます。
ばね指は第1指→第3指→第4指の順に多く発症します。第2指と第5指のばね指は稀です。赤丸の部分を押すと痛みがあります。通常は無理に伸ばせばパキッとした音とともに指は元通りに伸ばせますが、全く伸ばせなくなってしまった場合には『ロッキングフィンガー』という別の疾患の可能性もありますので自己判断せずにまずは当院へご来院ください。
女性に多く発症する理由
腱鞘炎は男性よりも比較的女性に多く発症します。腱の耐久性が女性の方が弱いのもありますが、意外な事に女性ホルモンが影響しているのをご存知ですか?40代や50代になると女性ホルモンの1種であるエストロゲンが減少します。このエストロゲン、実は腱や腱鞘を保護する作用があるんです。この為、更年期の女性では腱や腱鞘の柔軟性が失われて腱鞘炎を発症しやすくなります。
また出産後の女性はゆるんだ骨盤などを元に戻す為に女性ホルモンのプロゲステロンの分泌が活発になります。このプロゲステロンは腱鞘を収縮させる作用がありますので摩擦が起こりやすくなり腱鞘炎を発症しやすくなります。
このようにホルモンは少量でも体全体に作用します。一生の間に分泌される女性ホルモンは実はティースプーン1杯分だと言われています。例えるならプールにわずか一滴ホルモンを入れるだけで水の色が変わってしまうくらい影響力が強いのです。
腱鞘炎の治療と治癒までの期間
・軽症の場合だと2~3週間で治りますが、痛みの原因がお仕事にある場合、安静を取る事ができないので重症化しやすい傾向にあり、そのため6ヵ月~1年と長期に痛みが残存する方もおられます。
・まずは痛みの原因となっている動作を控えます。
・そしてサポーターなどで固定し動きを制限します。
・重症の方は腱鞘にステロイド注射をしたり、ばね指では手術で腱鞘を切開する事もあります。
西院かんな整骨院での腱鞘炎・ばね指の治療
当院ではまず原因となっている腱と筋肉をハンドマッサージやストレッチにより緩めます。そして腱の腫れを抑えたり、腱鞘の炎症を抑える目的で超音波治療器を使って治療を行ないます。超音波治療器のプローブと呼ばれる先端からは1秒間に300万回の音波振動が照射されます。この音波振動により腫脹と炎症を抑えます。腱鞘炎用のサポーターも試着・購入可能です。(1,200円~1,500円程度)
腱鞘炎・ばね指・手首の痛みで整骨院、接骨院、整体院をお探しの方は“西院かんな整骨院”へ。
京都市|中京区|右京区|下京区から多数の患者様がご紹介や口コミで来院されています。